ストレスで血管収縮 不調の原因

体調が悪くて病院に行くと、「原因はストレスでしょう」といわれることがあると思う。ストレスは、厳寒、熱傷、外傷などの身体的負荷や、恐怖や激務などによる精神的打撃など、さまざまな刺激が生体内にひずみをお起こし、心身を危険な状態にさらす状態をさす。

ストレスにさらされると、体はアドレナリンなどの物質を出し、危険から逃れようと働く。例えばストレスが強くて血圧が低下すると血管を収縮させ、心臓の拍動を増やして血圧を上げて血流を保とうとする。

ストレスに対する体の反応は、生体の機能を維持するのに重要だ。だが緊張する状態があまりに長く、血管が収縮し続けていては、やがては身体に悪影響が出る。ストレスが原因の病気もある。すべてがストレスに起因するわけではないが、高血圧症、虚血性心疾患、片頭痛、気管支ぜんそく、じんましん、胃潰瘍、過敏性腸症候群などが挙げられる。

ストレスが原因で起きる病気の治療はストレスを受けないことが第一だが、複雑な社会環境の中で完全に避けるのは簡単ではない。「忙中閑あり」。激務などで緊張が続く場合、できるだけ趣味の時間を作り、ストレスからの解放を心掛けたい。それもかなわない場合、臨床心理士、心療内科医、精神科医のカウンセリングを受けることも勧められる。(順天堂大学医学部特任教授 奈良信雄)

日経(2016年5月22日)からだのフシギより